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〔卑しくも身をへりくだし〕

卑しくも身をへりくだし
ひとひつかれしてとて
夜汽車のなかにまどろめば
さなまた怪しく熱くして
病ふたゝび来しやと思ひ
たそがれて行く川べりの
柳のむらや消えのこる
野の面の雪をなつかしみ見る
そのとき黒ずめる暮のほこ杉
一列をあして窓をすぎたり