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〔あしたはいづこの組合へ〕

あしたはいづこの組合へ
一車を向けんなど思ふ
さこそはこゝろのうらぶれたりと
たそがれさびしく汽車にて行けば
あゝいま北上沖積層を
けぶりはほのかに青みてながる
あるひは二列の雲とも見ゆる
山なみ越えたるかしこの下に
なほかもモートルとゞろにめぐり
はがねのもろ歯の石噛むひゞき
ひとびとましろき石粉にまみれ
シャベルを叺をうちもるらんを
あゝげに恥なく生きんはいつぞ
妻なく家なくたゞなるむくろ
生くべくなほかつこの世はけはし
柱は行きすぐたそがるゝ草
野の面はこゝにははや霧なくて
雲のみ平らに山地に垂れぬ