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     〔朋らいま羅漢堂にて〕

朋らいま羅漢堂にて
朝づとめ了るらしきに
われはしも疾みて得立たね
むなしくも冬に喘げり
かの町の淫れをみなに
事ありと朋ら云へども
なほしかの大悲の瞳
おゝ阿難師をまもりませ

雪の山また雪の丘
ふるさとははるかに遠く
草くらきよみぢの原を
ふみわけんみちは知らずも

羅漢堂看経を終へ
座禅儀は足の音にまじり
衆僧いま廊を伝へば

あゝ聖衆来ますに似たり