目次へ  縦書き

     〔山上の堂のくらやみ〕

七重の舎利宝塔を
ほのに浮く青の燐光
大盗は銀の帷子
隠身の黒に装ひつ
おろがむとまづ立膝し
双の手を胸に結べば
そのまなこつぶらの黄にて
その膝は照りかゞやけり
手触れ得ず青の燐光
大盗はまたおろがみつ
きとばかり歯軋り消ゆる。