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     〔病血熱すと雖も〕

病血熱すと雖も
斯の如きの悪念を
仮にも再びなすこと勿れ
斯の如きの瞋恚先づ
身を敗り人を壊り
順次に増長して遂に絶するなからん
それ瞋恚の来る処
多くは名利の故なり
血浄く胸熱せざるの日一切を
身自ら名利を離れたりと負し
童子嬉戯の如くに思ひ
私にその念に誇り酔ふとも
見よ四大僅に和を得ざれば忽ちに
諸の秘心斯の如きの
悪相を現じ来って
汝が脳中を馳駆し
或は一刻或は二刻或は終に
唯是修羅の中をさまよふに非ずや
さらばこれ格好の道場なり
三十八度九度の熱悩
肺炎流感結核の諸毒
汝が身中に充つるのとき
汝が五蘊の修羅
を化して或は天或は
菩薩或佛の国土たらしめよ
この事成らずば
如何ぞ汝能く
十界成仏を談じ得ん