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風がおもてで呼んでゐる 「さあ起きて 赤いシャッツと いつものぼろぼろの外套を着て 早くおもてへ出て来るんだ」と 風が交々叫んでゐる 「おれたちはみな おまへの出るのを迎へるために おまへのすきなみぞれの粒を 横ぞっぽうに飛ばしてゐる おまへも早く飛びだして来て あすこの稜ある巌の上 葉のない黒い林のなかで うつくしいソプラノをもった おれたちのなかのひとりと 約束通り結婚しろ」と 繰り返し繰り返し 風がおもてで呼んでゐる