目次へ  縦書き

銀河鉄道の一月

ぴかぴかぴかぴか田圃たんぼの雪がひかっている
河岸かはぎしの樹がみなまっ白に凍っている
うしろは河がうらゝかな火や氷を載せて
ぼんやり南へすべってゐる
よう くるみの木 ジュグランダア 鏡をつるし
よう かはやなぎ サリックスランダア 鏡を吊し
はんのき アルヌスランダア 鏡をつるし
からまつ ラリクスランダア かゞみを吊し
グランド電柱でんちゅう フサランダア かがみをつるし
さはぐるみ ジュグランダア 鏡をつるし
桑の木 モルスランダア 鏡を………
ははは 汽車がたうたうななめに列をよこぎったので
桑の氷華ひょうくわは ふさふさ風にひかって落ちる


掲載誌「盛岡中学校校友会雑誌」(1927年12月21日)
関連作品:「春と修羅 第二集」の「四〇三 岩手軽便鉄道の一月」