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心象スケッチ

孤独と風童

シグナルの赤いあかりもともったし
そこらの雲もちらけてしまふ
プラットフォームは
Yの字をしたはしらだの
犬の毛皮を着た農夫だの
けふもすっかり酸えてしまった
東へ行くの
白いみかげの胃の方へかい
 さう ではおいで
行きがけにねえ
向ふのあの
ぼんやりとした葡萄いろの空を通って
大荒沢や向ふはひどい雪ですと
ぼくがいったといっとくれ
ぢゃさようなら
樺の林の芽が噴くころにまたおいで
こんどの童話はおまへのだから


掲載誌「貌」第三号(1925年1月10日)
関連作品:「春と修羅 第二集」の「三三一 孤独と風童」