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一〇六四

〔失せたと思ったアンテリナムが〕

五、十二、

  失せたと思ったアンテリナムが
  みんな立派に育ってゐた
キンキン光る青朱子のそら
  あすこの花壇を
  それでぎらぎらさせられるのだ
風の向ふの崖の方で
わづかな蝉の声がする
いったいわたくしは
いつ蜂雀に夏を約束したのか

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