目次へ  縦書き

     烏百態


雪のたんぼのあぜみちを  ぞろぞろあるく烏なり

雪のたんぼに身を折りて  二聲鳴けるからすなり

雪のたんぼに首を垂れ  雪をついばむ烏なり

雪のたんぼに首をあげ  あたり見まはす烏なり

雪のたんぼの雪の上  よちよちあるくからすなり

雪のたんぼを行きつくし  雪をついばむからすなり

たんぼの雪の高みにて  口をひらきしからすなり

たんぼの雪にくちばしを  じつとうずめしからすなり

雪のたんぼのかれ畦に  ぴよんと飛びたるからすなり

雪のたんぼをかぢとりて  ゆるやかに飛ぶからすなり

雪のたんぼをつぎつぎに  西へ飛び立つ烏なり

雪のたんぼに残されて  脚をひらきしからすなり

西にとび行くからすらは  あたかもごまのごとくなり