目次へ  縦書き

     僧園幻想


星のけむりの下にして  杉むら黒くひそめるに
いとあしざまにうちなきて  かくこう北に載りすぐる

  夜のもみぢの木もそびえ  御堂の屋根も沈めるに
あやしく身うちのびたつは  鬼の堺にやわが堕ちし

星のめぐりの下にして  石組しくうごめきつ
わが身はいとゞのびたちて  はてはいづちと知らぬらし

更に一羽の鳥ありて  わがまん圓のぬかの上
無方のかなたうちけぶる  寒天いろの夜に溶くる