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     圃道(作品第七四二番)

水霜が
みちの草穂にいつぱいで
車輪もきれいに洗はれた

ざんざんざんざん木も藪も鳴つてゐるのは
その重いつめたい雫が
いま落ちてゐる最中なのだ

霧が巨きなこゞりになつて
太陽面を流れてゐる
さつき川から炎のやうにあがつてゐた
あのすさまじい湯気のあとだ

気管がひどくぜいぜい云ふ
かういふぜいぜい鳴る胸へ
焼酎をすこし呑みたいと思ひ
ふかした芋をたべたいと思ひ
町に心を残しながら
野菜を売つた年老りたちが
みなこの坂を帰つたのだ