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     岩手輕便鐡道の一月(作品第四〇三番)

ぴかぴかぴかぴか田圃の雪がひかつてくる
河岸の樹がみなまつ白に凍つてゐる
うしろは河がうらゝかな火や氷を載せて
ぼんやり南へすべつてゐる
よう くるみの木 ジュグランダー 鏡を吊し
よう かはやなぎ サリックスランダー 鏡を吊し
はんのき アルヌスランダー 鏡鏡鏡鏡をつるし
からまつ ラリクスランダー 鏡をつるし
グランド電柱 フサランダー 鏡をつるし
さはぐるみ ジュグランダー 鏡を吊し
桑の木 モルスランダー 鏡を…
ははは 汽車こっちがたうたうなゝめに列をよこぎつたので
桑の氷華はふさふさ風にひかつて落ちる