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     産業組合青年会(作品第三一三番)

祀られざるも神には神の身土があると
あざけるやうなうつろな聲で
さう云つたのはいつたい誰だ 席をわたつたそれは誰だ
  ……雪をはらんだつめたい雨が
    闇をぴしぴし縫つてゐる……
まことの道は
誰が云つたのおこなつたの
さういふ風のものでない
祭祀の有無を是非するならば
卑賤の神のその名にさへもふさはぬと
應へたものはいつたい誰だ いきまき應へたそれは何だ
  ……ときどき遠いわだちの跡で
    水がかすかにひかるのは
    東に畳む夜中の雲の
    わづかに青い燐光による……
部落部落の小組合が
ハムをつくり羊毛を織り醫薬を頒ち
村ごとのまたその聯合の大きなものが
山地の肩をひととこ砕いて
石灰岩末の幾千車かを
酸えた野原にそゝいだり
ゴムから靴を鋳たりもしよう
  ……くろく沈んだ並木のはてで
    見えるともない遠くの町が
    ぼんやり赤い火照りをあげる……
しかもこれら熱誠有為な村々の處士會同の夜半
祀られざるも神には神の身土があると
老いて呟くそれは誰だ