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牧者の歌

(「ポランの広場」の歌(一))

けさの六時ころワルトラワラの
峠をわたしが越えやうとしたら
朝露がそのときにちゃうど消えかけて
一本の栗の木は後光を出してゐた
わたしはいたゞきの石にこしかけて
朝めしの堅パンを噛ぢりはじめたら
その栗の木がにはかにゆすれだして
降りて来たのは二疋の電気栗鼠