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[391](1931年9月19日)鈴木東蔵あて 封緘葉書

(表)岩手県東磐井郡 陸中松川駅前 鈴木藤三様
   十九日正午 小牛田ニテ 宮沢賢治

拝啓 昨日旅程半端なりし為今朝一番にて出発当地に参り候 当地麦作は来月中旬よりとのことにてそれ迄には小牛田肥料会社より八噸位は注文参るべく候 それよりも意外なりしは宮城県にて各農村へ炭酸石灰の搗粉を奨励すべしとの意向夏よりあり先日も館長へ知事直接に右奨励の具体的方法相談あり明後日迄に答申するとのことにて恰度折よく参りし次第本社の搗粉は農村へは充分見込み有之旁々甚幸先宜敷と存居候 尚明日米検査員(三十名)へ館長講話の予定あり必ず近日中に効果を示さんと申され居り候間右御心構へ願置候。今日は利府を経て仙台着関口氏長谷川氏と会すべく候。