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[383](1931年8月 草野心平あて)下書

世界的だなどといふことはほんたうに数ヶ国語にでも訳されてから云ふべきであって、「春と修羅」にそんな可能性はまづなからう。尤も古典と云へば云へないでもない。これ位進んだ世界の中で中世的の世界観と社会意識をもって全著を一貫してゐる意味に於てゞある。或ひは徳川末期の腐った俳句などをも古典といふ意味に於てゞある。