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[372] 1931年7月19日 鈴木東藏あて 封書(封筒ナシ)

  七月十九日午

拝復 一昨夕は何の風情もなく寔に失礼仕候 昨日湯本方面へ参り石灰施用地区巡覧致候処此の悪天候乍ら孰れも相当の成績を示し居り殊に椚の目にて施用区不施用区比較したるもの分蘖にて約三−五本位の相違を示し居り候。但し何分の苗不足と冷気に対し色々の原因にて不良なる成績を示したるもの之を石灰の害に帰するもの有之右説明には一寸骨折り候。

次に本日御送附の見本褐と云ふよりは矢張「緒」又は「岱賭」として売り込み度之にて

 赤間  赤
 仝   緒
 仝   黄
 仝   青
 仝   紫
 大理石 灰 を得たる次第に有之何分にも見本各一貫位宛の処殊に赭黄青御調製御送被成下候はゞ早速サムプル調整の上確実なる注文を得度存居候。次に水沢御発送と共に仕切書御発便願上候

敬具