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[355] 1931年6月3日 鈴木東藏あて 封書(封筒ナシ)

  六月三日

宮沢賢治

拝啓

昨日は寔に失礼仕候 扨て甚不始末乍ら先日御送附の平泉への参拾五円荷為替証書内にて紛失致し執れ何かの書類亦は新聞に混在致し居とは存候へ共如何に探して見当らず何とも困り居り候儘御手数恐れ入り候へ共何卒工場より荷物は渡して残金と共に取立手形御振出代金貴方へ御回収相成度奉懇願候 若し又右不可能に候はゞ運送店と御相談今一応証書御作成方御取計被成下度存候

敬具

  鈴木場長殿

 二伸 次に別封根白石村への回答に就て請求貫数及運賃不明の為空白に対し置候分何卒御書入御差立方重ねて奉懇願候