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[347] 1931年5月19日 鈴木東藏あて 封書(封筒ナシ)

   五月十九日午后

拝啓

御電命に接し乍ら又々病臥参上致し兼昨日は軍次郎様御来花を辱し寔に御申訳無之候 本日は熱も退き候儘諸方照会等も致し居り明日は多分出盛して広告文の諒解を得べくその上は六月以后の注文を得る様捲土重来致すべく候

 一、本日小牛田へ電報を発し候へども工藤技師未だ栗原より帰来せざるらしく未だに返電なく重ねて手紙にて見込伺置候問右返事着次第工場へ電報可申上候

 二、岩手商会は見本を取り乍ら今年は出来ざる由電話にて返事有之宰郷信用組合の方なりし旨に御座候

 三、前沢福地氏へも数度電話致し候へ共今日もいづれ後程といふ位の返事にて甚煮え切らず候。或は今夏よりは他店にも取次方交渉を要するかと存候

 四、廿六日迄の分注文有之と存居候処廿一日にて発送済の趣その節は当分夜業を癈するか致して栗原注文着迄御待ちを願ひ度存候へ共御見込如何に御座候哉

 先はいづれも甚面白からぬ御報のみながらいづれ陰陽は交代し晴雨は循環致すべく次便を御待ち奉願候

敬具

 鈴木場長殿

宮沢拝