目次へ  縦書き

[337] 1931年5月5日 鈴木東藏あて 封書(封筒ナシ)

拝啓

只今宮城郡農会へ参り出荷延期の申訳並に粒に関する諒解を得度色々申出候処先方大分強硬にて稍々当惑仕候

右郡農会は今回の宮城県注文の大部分(微粒分全部)を占むるものに有之且つは県庁にも最近きもの故需要者より連日の請求にて余程迷惑致したるらしく係の人仲々機嫌直らず粒子の大さも容易に承知せず随分困り申し候 就て結局左の如くに約束致し参り候間右御諒承被成下何分の御手配奉仰候

一、工場より直接各注文者へ出荷延引及粒子の大さに関し諒解を得ること(右は小生発信可致候)

二、微粒分全部を茲四日中に発送のこと(但しこれは到低不可能に候間可成敢急ぐこと)就中先に

  東北本線仙台駅下し  七郷村分及
  仝   北仙台駅下し 根白石村農会
  の分を交互に発送のこと。

三、価格は微粒十貫二十六銭とすること。

四、発送と同時に県及宮城郡農会宛に必らず通知を発すること

以上の如くに有之或は今明日中に七郷村農会書記工場へ談判に参るやも図られずその際は何分の御諒解を得る様願上候 尚県の見込にては明年は宮城郡のみの需要三十車を下らずとの事に候間何卒此際充分信用を得る様御取計奉願度候

  宮城郡地方は従来の習慣上作付を甚急ぐものの由、代金は既に三月末日に取纏めある為〔以下数字分破損]

私は只今より広淵沼開墾地に高野技師を訪ふべく御座候 尚関口氏には本日も面会致し兼ぬる次第には御座候へ共別に信書を以て充分今后の取計依頼致し置候問何分にも今迄分の注文御入念御出荷奉願候

敬具

   五月五日午前十時

宮沢拝

 鈴木場長殿