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[329] 1931年4月20日 鈴木東藏あて 封書(封筒ナシ)

   四月二十日

拝啓

一昨日は参上色々と難有御礼申上候

就てあの后仙台に直行関口氏数日間出張中にて漸く昨朝面談昨夜帰花仕候次第 要件左の如くに御座候

一、関口氏云、当方にては始終出張宣伝し居れども未だ時機早く手許に三車丈注文あり。近日に廻送すべし。この后は敢て県を経由せざるも直接の注文あるべく、県は終始之が監督をなすべし。

二、粒形はあく迄微細なるを欲す。初め約束の通りの品納入する様努力せられたし。但し、今年一年の事にあらず注文買も年々増加すべければ無理なる値段を以てせず、必ず見本通りの品を送られたし。粒小なることは技術上は兎も角注文者の希望にて外観上の問題なり。

三、肥料店へは渡さゞる様せられたきも、仙南仙北に一所宛大取次店を設くるは可ならん。但し発送の数量は一一報告せられたし。

四、就て愈々製品及価格決定后は報告せられ度之に仍て当分にては充分斡旋せん。

五、古川の試験場長浦壁氏の充分なる諒解を得られたし。氏の一言は宮城県肥料界を直ちに動かすなり。

以上

六、右に仍て私は直ちに辞仙古川に浦壁氏を訪ひ誠意を披瀝して充分の諒解を得候

七、仍て今后は相当の注文有之べく(二十車は大丈夫)と存候へ共当方にても決して宣伝を怠り得ざる様の模様に有之候。

八、就て何卒四厘以下位の品製作御工夫奉願度右に対し篩ては到底無効と存候間

 一分目篩ひにて落し 強く扇風機をかけて 之を二段に分つ様出来ざるや否や 何卒御試験奉願候。若し数段に篩ふとすれぱ、

 三分−一分  養鶏用

 一分−四厘  果柑、桑、稲作用

 四厘以下   宮城稲作、畑作用、と相成る次第に御座候

九、然るに宮城県へ向ける分にては甚手間に合はざる点も有之候間お指図を得て秋田へ売込致し度右記至急御指図願上候、

一、秋田県庁、農会、組合聯合会、(秋田市)県試験場、陸羽支場、諸農学校、組合(各地)へ合計五日位の出張 旅費計三十五円位

二、宮城県へ更に三日乃至五日の出張 旅費計二十円−三十五円位

三、県内組合歴訪 旅費私方持

の中孰れを採るべきや及その順序。

十、次に金策の件 軍之助様へ百五十円差上受取頂戴仕候間御安心被成下度候

先は  敬具