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[323] 1931年4月7日 工藤藤一あて 封書(封筒ナシ)

  四月七日

日報紙上で拝承いたしました処この度はまことにお芽出たう存じます。実に兼々この事なきを稚々不満に存じ居りましたので当然の事とは申せはなはだ安心いたした様な気持ち悪しからずご諒承ねがひあげます。

先日肥料設計の実際色々御指導を得たく参上いたしたのでしたが萩荘御出張中でありましたので、三浦様を以て場長殿に一寸お目にかゝり石灰の方のお礼も申しあげて参りました。供試品昨日あたり到着のことゝ存じますが、何分ともに御考に仍て如何様にもお取計ひねがひあげます。

いづれその中再び出盛、ご著述了解の所をお聴取ねがひたく存じ居りますが、まづは紙面でお祝ながら申しあげます。

  工藤藤一様

宮沢賢治