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[308] 1931年3月18日 鈴木東蔵あて 封書(封筒ナシ)

拝啓

只今県試験場工藤技手より同封書面到着仕り思はず雀躍仕候 実は工藤氏は従来消石灰万能の御考に有之年来公言致され居り候関係上推奨を得るが如き容易の事に非ずと存居候処斯くも容易に御諒解を得たるは全く貴下の献身的なる値段引下げ等によるものと存じ甚御同慶の至りに存候 この上は敢迄も良質の物を供給して信用を重ね度何分にも御心構へ奉願候 尚別簡は全くの私信に御座候間貴台御覧の上は乍御手数直ちに御返送を得度願上候 先は吉報御報迄如斯御座候

敬具

  昭和六年三月十八日

宮沢賢治

鈴木藤三様