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[300](1931年2月中旬〕下書 (宣伝用書状)

拝啓

春寒料峭之候倍々御清栄奉大賀候

陳者般近土性改良並びに農作物増収の為石灰施用量次第に多きを加へ候処特に本年は一般不況の折柄農村にても生産費低減の為金肥の節約に勉めらるゝ結果他県より移入の苛性石灰の需要甚多きを見る次第に御座候へ共右の乱用は土壌の荒癈と生産物の品質低下を来すの傾も有之候間御多用中恐れ入り候へ共何卒別紙御一覧奉仰度右は此段御願迄如斯御座候

二伸

尚幣工場製炭酸石灰は昨年本年共宮城県より公文を以て一般農家に推奨を賜はり県農会に於て農家の購入を一一御〔一字空白〕せん被成下候次第本年は殊に製造装置を改め価格品質精一杯の努力を致し居り候間何卒微衷御汲取被成下貴地附近よりの御用命を賜はり候様重ねて奉懇願候

東北砕石工場
主 鈴木東蔵
嘱託宮沢賢治