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[262] 1930年4月13日 鈴木東蔵あて 封書(封筒ナシ)

拝啓 昨日は折角の御来花に何の風情も無之甚失礼仕候 その節は亦結構なる御土産頂戴仕厚く御礼申上候 扨その際お詞の合成肥料調整の件大体左の如くにては如何に候や

◎調合歩合   石灰石粉九貫六百五十匁
  十貫に付「加里肥料」(肥料名)三〇%加里三百五十匁

◎右による加里保証含量 一・〇%(強)

◎右価格  石灰石粉三十銭乃至三十五銭
  十貫に付「加里肥料」十一銭五厘乃至十二銭五厘

◎右を反当三十貫水稲に施したる場合の増収玄米最低二斗
  仝     大麦に施したる場合の仝上  最低三斗

◎備考「加里肥料」は燐酸加里を主成分とし調合には最適なるが如し。一車は八噸十貫当り三円三十銭の割合、一車以下は三円五十銭位、価格変動なし

尚右充分御考慮の上実行の際は御不審の点御遠慮なくご照会願上候

 先は右御報迄

敬具

  四月十三日

宮沢賢治

 鈴木東蔵様