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[214] 1925年12月1日 宮沢清六あて 封書

(表)弘前歩兵第卅一聯隊第七中隊第一班 宮沢清六様
(裏)大正十四年十二月一日 岩手県花巻農学校 宮沢賢治(封印)〆

お手紙見ました。すぐ返事するのでしたがこの頃畠山校長が転任して新らしい校長が来たりわたくしも義理でやめなければならなくなったりいろいろごたごたがあったものですからつい遅くなったのです。お変りはありませんか。四月まで残ることに決ったのですか。うちでも待っていますからすぐお報せください。

仕事の計画はいかにも実務的ではっきりしてゐてひじやうに賛成です。

わたくしも多少検討の付く方面ですから精いっぱいお手伝ひします。お父さんも大へんよろこんでゐます。

恐らくきみはその新鮮な熱情と透明な企画とでわれわれのしばらく寂れた家(わたくしの勝手から起った)をはなばしく楽しくしてくれるだらうとおもひます。まづは。

   関彰司さんが行ったでせう。どうかよく世話をしてやってください。