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[194] 1921年7月3日 保阪嘉内あて 封書(封筒ナシ)

お葉書拝見致しました。

暑くっておひどいでせう。

私もお目にかゝりたいのですがお訪ね出来ますか。

あなたの貴重な日曜日を私の所へお潰しになってはあまりお気の毒です。見習士官なら外泊でせう。

どうです、又御都合のいゝとき日比谷あたりか、植物園でゞも、又は博物館でゞもお待ち受けしませうか。

私は相変らずのゴソゴソの子供ですから名誉ある軍人には御交際が不面目かも知れませんよ。

私は夜は大低八時頃帰ります。

いづれお目にかゝれるかと思ひます。

さよなら

   七月三日夜

宮澤賢治