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[129] 1919年1月25日 宮澤政次郎あて 封書

(表)巌手県花巻川口町 宮澤政次郎様 平安
(裏)大正八年一月廿五日 東京市小石川区雑司ケ谷町一三〇 雲台館 宮澤賢治(封印)〆

拝啓今朝は二木博士診察迄居合せ模様を見参り候

只今の熱は矢張りインフルインザの時より潜伏したるものにて素人見には熱の工合のみより、前の如くに悪く戻りたる様に候へども最早「もう少し」なる由患者にも医師にも判然と申され候。旁々決して御心配下さる間敷候。実は私も昨夜大分熱のある様子を見て今朝迄少し心配をも致し候へども今朝は食も少からず、もう少し食しても宜しき様等申し居り、元気も変りなく候間只今はすっかり安心致し候。

昨夜は三十八度八分今朝は三十七度七分に御座候。

本日は当地は霙に御座候。

私は変り無之候間之又御安心被成下度候。

先は右迄

敬具

   大正八年一月二十五日

宮沢賢治

父上様
  皆々様