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[107](1919年1月8日)宮澤政次郎あて 葉書

(表)岩手県花巻川口町豊沢町 宮澤政次郎様
   八日午后 東京市小石川区雑司ヶ谷町一三〇 雲台館 宮澤イチ 賢治

拝啓 六日発御葉書拝見仕り候 昨日も申し上げ候へども小包及金員正に当地に相屈き金員中一部は小林様に托し置き候間御安心奉願候。

とし一昨日は解熱剤を用ひ候為夜三十七度八分 昨日朝三十七度五分夜三十七度八分位に御座候所今朝は又三十八度二分に相成り、尚主任医師にも相尋ね候処、矢張主なる病気はインフルインザにて他に肺の一部心臓等弱り居る為熱の降る事余りはかばかしからぬものなる由に御座候。退院期を問ひ候処先づ今の模様にては二週間以上後なるべしとの事に有之、且つ冬の間に退院、直ちに帰省は奇険なるべしと申し候。私共は無事に御座候。当地は極めて、温暖大低は晴天に御座候。何も不自由の事は無之御安心奉願候。

敬具