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[105] 1919年1月6日 宮澤政次郎あて 封書

(表)巌手県花巻川口町豊沢町 宮澤政次郎様 平信
(裏)一月六日 東京市小石川区雑司ケ谷町一三〇 雲台館 宮澤賢治拝(封印)〆

拝啓

一昨日及昨日の手紙にて折角御心配の御事と存じ候 然るに昨夜は体温も三十八度二分食慾無く渇き甚しき様には御座候へども元気変りなく医師より許可を得て、(蓋ろ重湯の代りとして)アイスクリームを食し候。右牛乳、卵、塩等は差し入れ、氷及器械は病院の品を用ひ附添の者之を作り今後も毎日之を取るべく候。

外に革果を折角望み候へども、蓮根水と共に之は尚許可を得る迄に至らず候。

今度は又熱上る様の事なく順調に回復致すべく候間御心配被下間敷候。

宅にてはどなた為変り御座無く候や又本日寄せ書きの葉書到着難有御礼有之候。

旧歳末の繁忙中、永々と滞在誠に恐れ入り候。太郎さん清六の英語等は今度は仕方無之候。皆様にも宜しく御礼奉願候

敬具

   大正八年一月六日

賢治拝

 父上様