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五二

嬰児

一九二四、四、一〇、

なにいろをしてゐるともわからない
ひろぉいそらのひととこで
へりのまばゆい黒雲が つぎからつぎと爆発される
     (そらたんぽぽだ
      しっかりともて)
それはひとつづついぶった太陽の射面を過ぎて
いっぺんごとにおまへを青くかなしませる
  ……そんなら雲がわるいといって
    雲なら風に消されたり
    そのときどきにひかったり
    たゞそのことが雲のこころといふものなのだ……
そしてひとでもおんなじこと
鳥は矢羽のかたちになって
いくつも杉の梢に落ちる

(本文=定稿)



(下書稿2推敲後)

五二

嬰児

一九二四、四、一〇、

なにいろをしてゐるともわからない
ひろぉいそらのひととこで
へりのまばゆい黒雲が
つぎからつぎと爆発される
     (そらたんぽぽだ
      しっかりともて)
それはひとつづついぶった太陽の射面を過ぎて
いっぺんごとにおまへを青くかなしませる
  ……そんなら雲がわるいといって
    雲なら風に消されたり
    そのときどきにひかったり
    たゞそのことが雲のこころといふものなのだ……
そしてひとでもおんなじこと
鳥は矢羽のかたちになって
いくつも杉の梢に落ちる



(下書稿2推敲前)

五二

嬰児

一九二四、四、一〇、

なにいろをしてゐるともわからない
ひろぉいそらのひととこで
へりのまばゆい黒雲が
つぎからつぎと爆発される
     (そらたんぽぽだ
      しっかりともて)
それはひとつづついぶった太陽の射面を過ぎて
いっぺんごとにおまへを青くかなしませる
  ……そんなら雲がわるいといって
    雲なら風に消されたり
    そのときどきにひかったり
    たゞそのことが雲のこころといふものだから……
そしてひとでもおんなじこと
鳥は矢羽のかたちになって
いくつも杉の梢に落ちる



(下書稿1推敲後)

五二

嬰児

一九二四、四、一〇、

なにいろをしてゐるともわからない
ひろぉいそらのひととこで
へりのまばゆい黒雲が
つぎからつぎと爆発される
     (そらたんぽぽだ
      しっかりともて)
それはひとつづそらの鏡の射面を過ぎて
いっぺんごとにおまへを青くかなしませる
それはひとつづゝヘリオスコープの照面を過ぎて
いっぺんごとにおまへを青くかなしませる
   (雲なら済むも済まないも風に消されたり
    みんなこっちのかんがへだ)
鳥は緑褐に膨らんだ
うしろの杉の梢に落ちる



(下書稿1推敲前)

五二

触媒

一九二四、四、一〇、

なにいろをしてゐるともわからない
ひろぉいそらのひととこで
まばゆいくろと白の雲が
つぎからつぎと爆発される
   (あすこに海綿白金プラチナムスポンヂがある)
それはひとつづゝヘリオスコープの照面を過ぎて
いっぺんごとにおまへを青くかなしませる
   (雲なら済むも済まないも風に消されたり
    みんなこっちのかんがへだ)
風は緑褐に膨らんだ
おそろしい杉の梢を鳴らす