目次へ  縦書き

四〇三

岩手軽便鉄道の一月

一九二六、一、一七、

ぴかぴかぴかぴか田圃の雪がひかってくる
河岸の樹がみなまっ白に凍ってゐる
うしろは河がうららかな火や氷を載せて
ぼんやり南へすべってゐる
よう くるみの木 ジュグランダー 鏡を吊し
よう かはやなぎ サリックスランダー 鏡を吊し
はんのき アルヌスランダー 鏡鏡鏡鏡をつるし
からまつ ラリクスランダー 鏡をつるし
グランド電柱 フサランダー 鏡をつるし
さはぐるみ ジュグランダー 鏡を吊し
桑の木 モルスランダー 鏡を…
ははは 汽車こっちがたうたうなゝめに列をよこぎったので
桑の氷華はふさふさ風にひかって落ちる

(本文=定稿)



(下書稿2)

四〇三

岩手軽便鉄道の一月

一九二六、一、一七、

ぴかぴかぴかぴか田圃の雪がひかってくる
河岸の樹がみなまっ白に凍ってゐる
うしろは河がうららかな火や氷を載せて
ぼんやり南へすべってゐる
よう くるみの木 ジュグランダア 鏡を吊し
よう かはやなぎ サリックスランダア 鏡を吊し
はんのき アルヌスランダア 鏡を吊し
からまつ ラリクスランダア 鏡を吊し
グランド電柱 フサランダア 鏡を吊し
さはぐるみ ジュグランダア 鏡を吊し
桑の木 モルスランダア 鏡を…
ははは 汽車こっちがたうたうなゝめに列をよこぎったので
桑の氷華はふさふさ風にひかって落ちる



(「盛岡中学校校友会雑誌」発表形(1927.12.21))

銀河鉄道の一月

ぴかぴかぴかぴか田圃たんぼの雪がひかつてくる
河岸かはぎしの樹がみなまつ白に凍つてゐる
うしろは河がうらゝかな火や氷を載せて
ぼんやり南へすべつてゐる
よう くるみの木 ジュグランダア 鏡をつるし
よう かはやなぎ サリックスランダア 鏡を吊し
はんのき アルヌスランダア 鏡をつるし
からまつ ラリクスランダア かゞみを吊し
グランド電柱でんちゅう フサランダア かがみをつるし
さはぐるみ ジュグランダア 鏡をつるし
桑の木 モルスランダア 鏡を………
ははは 汽車がたうたうななめに列をよこぎつたので
桑の氷華ひやうくわは ふさふさ風にひかつて落ちる



(下書稿1推敲後)

四〇三

銀河鉄道の一月

一九二六、一、一七、

ぴかぴかぴかぴか田圃の雪がひかってくる
河岸の樹がみなまっ白に凍ってゐる
うしろは河がうららかな火や氷を載せて
ぼんやり南へすべってゐる
(よう) くるみの木 ジュグランダァ 鏡を吊し
(よう) かはやなぎ サリックスランダァ 鏡を吊し
はんのき アルヌスランダァ 鏡を吊し
からまつ ラリクスランダァ 鏡を吊し
グランド電柱 フサランダァ 鏡を吊し
さはぐるみ ジュグランダァ 鏡を吊し
桑の木 モルスランダ 鏡を…
ははは、汽車がたうたうななめに列をよこぎったので
桑の氷華はふさふさ風にひかって落ちる



(下書稿1推敲前)

四〇三

銀河鉄道

一九二六、一、一七、

(数文字不明)鉄柱バー
(数文字不明)天気(数文字不明)る
(一行不明)
(二、三字不明)外套もちぎれたから
(約八字不明)田圃の雪がひかってくる
(一行不明)
河岸の樹がみなまっ白に凍ってゐる
(一行不明)
(七、八文字不明)って(以下不明)
(よう) くるみの木 ジュグランダァ 鏡を吊し
(よう) かはやなぎ サリックスランダァ 鏡を吊し
はんのき アルヌスランダァ 鏡を吊し
からまつ ラリクスランダァ 鏡を吊し
グランド電柱クリプトランダァ 鏡を吊し
さはぐるみ ジュグランダァ 鏡を吊し
桑の木 モルスランダ 鏡を…
ははは、汽車がたうたうななめに列をよこぎったので
桑の氷華はふさふさ(以下不明)