目次へ  縦書き

二一

痘瘡

一九二四、三、三〇、

日脚の急に伸びるころ
かきねのひばの冴えるころは
こゝらの乳いろの春のなかに
奇怪な紅教が流行する

(本文=下書稿2推敲後)



(下書稿2推敲前)

えゝ
どうもこの
日脚の急に伸びるころ
かきねのひばの冴えだすころは
こゝらの乳いろの春のなかに
極めて愚俗な紅教が
流行しだして困るのです



(下書稿1推敲後)

二一

一九二四、三、三〇、

どうもこの
日脚のしだいに伸びるころ
かきねのひばの冴えるころは
こゝらのおぼろな春のなかに
紅教が流行しだしていかんのです



(下書稿1推敲前)

二一

痘瘡

一九二四、三、三〇、

どうもこの
光波のすこしく伸びるころ
かきねのひばの冴えるころは
こゝらのおぼろな春のなかに
紅教が流行しだしていかんのです



(「貌」第三号(1924年9月15日)発表形)

痘瘡(幻聴)

どうもこの
光波の少しく伸びるころ
ひのきの青くかはるころは
ここらのおぼろな春のなかに
紅教が流行だしていかんのです