目次へ  縦書き

〔雲を濾し〕

雲を濾し
まことあかるくなりし空かな
子ら歓呼してことごとく
走り出でしも宣なれや

風のひのきはみだるるみだるゝ

(本文=下書稿2推敲後)



(下書稿2推敲前)

風のひのきはみだるゝみだるゝ
日天子白く翔けたまへども

雲を濾し
まことあかるくなりし空かな
うつろの呆けし黄はちらけ
子供ら歓呼せり



(下書稿1「冬のスケッチ」第42葉・第43葉 推敲後)

     ※

あかきひのきのかなたより
エステルのくもわきたてば
はるのはむしらをどりいで
かれくさばたのみぎかどを
気がるにまがるインパネス。

     ※

光波のふるひの誤差により
きりもいまごろかゝるなり
げに白日の網膜の
つかれゆゑひらめける羽虫よ。

     ※ 光酸

雲の傷みの重りきて、
光の酸をふりそゝぎ、
電線小鳥 肩まるく、
ほのかになきて溶けんとす。

     ※

風のうつろのぼやけた黄いろ
かれ草とはりがね、郡役所
ひるのつめたいうつろのなかに
あめそゝぎ出でひのきはみだるる。
(まことこの時心象のそらの計器は
 十二気圧をしめしたり。)

     ※

雲を濾し
まことあかるくなりし空かな。
うつろのぼうけし黄はちらけ
子供ら歓呼せり。



(下書稿1「冬のスケッチ」第42葉・第43葉 推敲前)

     ※

あかきひのきのかなたより
エステルのくもわきたてば
はるのはむしらをどりいで
かれくさばたのみぎかどを
気がるにまがるインパネス。

     ※

光波のふるひの誤差により
きりもいまごろかゝるなり
げに白日の網膜の
つかれゆゑひらめける羽虫よ。

     ※ 光酸

いつしか雲の重りきて、
光の酸をふりそゝぎ、
電線小鳥 肩まるく、
ほのかになきて溶けんとす。

     ※

風のうつろのぼやけた黄いろ
かれ草とはりがね、 郡役所
ひるのつめたいうつろのなかに
あめそゝぎ出でひのきはみだるる。
(まことこの時心象のそらの計器は
 十二気圧をしめしたり。)

     ※

よくも雲を濾し
あかるくなりし空かな。
うつろのぼうけし黄はちらけ
子供ら歓呼せり。