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〔霧降る萱の細みちに〕

霧降る萱の細みちに
われをいぶかり腕組める
なはたくましき漢子かな
白き上着はよそへども
ひそに醸せるなが酒を
うち索めたるわれならず
はがねの槌は手にあれど
ながしづかなる山畑に
銅を探らんわれならず
検土の杖はになへども
四方にすだけるむらどりの
一羽もために落ちざらん
土をけみしてつちかひ
企画をなさんつとめのみ
さあればなれよ高萱の
群うち縫えるこのみちを
わがためにこそひらけかし
権現山のいたゞきの
黒き巌は何やらん
霧の中より光り出づるを

(本文=下書稿推敲後2)



(下書稿推敲後1)

霧のなかなる細みちに
われをいぶかり腕組める
なはたくましき漢子かな
古き上着はよそはへど
ひそに醸せるなが酒を
うち索めたるわれならず
はがねの槌は手にあれど
ながしづかなる山畑に
銅を探らんわれならず
検土の杖はになへども
もょて何かを射得べしや
さもあらばあれわれはこれ
われはこの野と山山の
土をけみして培の
企画をなさんつとめのみ
さあればきみよこのみちを
わがためにこそひらけかし
権現山のいたゞきの
黒き巌は何やらん
霧の中より光り出づるを



(下書稿推敲前)

霧のなかなる細みちに
われをいぶかり腕組める
そのたくましき漢子は何ぞ
黒き上着は濁り酒
索めてあるく税務署の
属などとかも思ひけん
黒く大なるかなづちは
探鉱者とか思ひけん
ひかる検土の杖をもて
密猟者とかあやまりし
さもあらばあれわれはこれ
この野と山をうちわたり
岩と土とを調べして
あしたのこの野の幸を
なさんとねがひせるものを
されば漢子よこのみちを
わがためにこそひらけかし
権現山のいたゞきの
黒き巌は何ならん
霧の中より光り出づるを