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〔痩せて青めるなが頬は〕

痩せて青めるなが頬は
九月の雨に聖くして
一すじ遠きこのみちを
草穂のけぶりはてもなし

(本文=下書稿2推敲後)



(下書稿2推敲前)

痩せて青めるなが頬は
九月の雨に聖くして
一すぢ遠きこのみちは
草穂のけぶりはてもなし

羊も群れず玉蜀黍つけし
車を行かず この原に
みちは一すじ遠くして
草穂のけぶりはてもなし



(下書稿1推敲後)

青柳教諭を送る

秋雨にしとゞにぬれて
きよらかに頬痩せ青み
おもはざる軍に行かん
師はひとりおくれ来ませり

羊さへけふは群れゐず
玉蜀黍つけし車も来ねば
このみちの一すじ遠く
雨はたゞ草をあらへり

ともよ昨日きそかの秘め沼に
石撃ちしなれはつみびと、
わびませる師にさきだちて
そのわらひいとなめげなり

南なる雨のけぶりに
うす赤きシレージの塔
かすかにもうかび出づるは
この原もはやなかばなれ



(下書稿1推敲前)

青柳教諭を送る

秋雨にしとゞうちぬれ
きよらかに頬痩せて青み
師はいましこの草原の
たゞひとりおくり来ませり

羊さへけふは群れゐず
玉蜀黍つけし車も来ねば
このみちの一すじ遠く
ひたすらに雨は草うつ

友よさは師をな呼び給ひそ
愛しませるかのひとを捨て
おもはずる軍に行かん
師のきみの頬のうれふるを