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対酌

嘆きあひ   酌みかふひまに
灯はとぼり  雑木は昏れて
滝やまた   稜立つ巌や
雪あめの   ひたに降りきぬ
 
「ただかしこ 淀むそらのみ
かくてわが  ふるさとにこそ」
そのひとり  かこちて哭けば
狸とも    眼はよぼみぬ
 
「すだけるは 孔雀ならずや
ああなんぞ  南の鳥を
ここにして  悲しましむる」
酒ふくみ   ひとりも泣きぬ

いくたびか  鷹はすだきて
手拭は    雫をおとし
玻璃の戸の  山なみをたゞ
三月の    みぞれは翔けぬ