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文語詩100/85

〔すゝきすがるゝ丘なみを〕

すゝきすがるゝ丘なみを、 にはかにわたる南かぜ、
窪てふ窪はたちまちに、 つめたき渦を噴きあげて、
古きミネルヴァ神殿の、 廃址のさまをなしたれば、
ゲートルきりと頬かむりの、 闘士嘉吉もしばらくは、
萱のつぼけを負ひやめて、 面あやしく立ちにけり。



(定稿推敲前)

すゝきすがるゝ丘なみを、 にはかにわたる南かぜ、
窪てふ窪はたちまちに、 つめたき渦を噴きあげつ、
つめたき渦を噴きあげたれば、古きミネルヴァ神殿の、
廃址のさまをなしたれば、 ゲートルきりと頬かむりの、
闘士嘉吉もしばらくは、  萱のつぼけを負ひやめて、
面あやしく立ちにけり。



(下書稿2)

すゝきすがるゝ丘なみを
にはかにわたるみなはかぜ
窪てふ窪はたちまちに
つめたき渦を噴きあげつ
古きミネルヴァ神殿の
廃址のさまをなしたれば
ゲートルきりと頬かむりの
闘士嘉吉もしばらくは
萱のつぼけを負ひやめて
面あやしく立ちにけり



(下書稿1推敲後)

すゝきすがるゝ丘なみを
にはかにわたるみなはかぜ
窪てふ窪はたちまちに
冷気の渦を噴きあげつ
古きミネルヴァ神殿の
廃址のさまをなしたれば
ゲートルきりと頬かむりの
闘士嘉吉もしばらくは
萱のつぼけを負ひやめて
面あやしく立ちにけり



(下書稿1推敲前)

すゝきすがるゝ丘なみを
にはかにわたるみなはかぜ
窪てふ窪はたちまちに
つめたき渦を噴きあげつ
古きミネルヴァ神殿の
廃址のさまをなしたれば
ゲートルばきの頬かむりの
さすがの戦士幸蔵も
萱のつぼけを負ひやめて
しばしあやしみ立ちにけり



(先駆形口語詩「事件」)

事件

Sakkyaの雪が 澱んでひかり
野はらでは松がねむくて
鳥も飛ばない昼すぎのこと
いきなり丘の枯草を
南の風が渡って行った
すると窪地に澱んでゐた
つめたい空気の界面に
たくさん渦が柱に立って
さながらミネルヴァ神殿の
廃址のやうになったので
窪みのへりでゲートルもはき
頬かむりもした幸蔵が
萱のつぼけをとる手をやめて
おかしな顔でぼんやり立った