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文語詩100/84

電気工夫

(直き時計はさまかたく、  ぞうに鍛へしは強し)
さはあれ攀ぢる電塔の、  四方に辛夷の花深き。

南風かけつ光の網織れば、    ごろろと鳴らす硝子群、
艸火のなかにまじらひて、 蹄のたぐひけぶるらし。



(下書稿2推敲後)

(直き時計はさま頑く
憎に鍛えし瞳は強し)
さはあれ攀ぢる電塔の
四方に辛夷の花深き



(下書稿2推敲前)

(直き時計はさま頑く
憎悪に鍛えし瞳は強し)
さあれやのぼる電柱に
ひかりを噴きぬ北の風
四方は辛夷の花盛りぬ



(下書稿1推敲後)

電気工夫

南風かけつ光の網織れば
ごろろと鳴らす硝子群
艸火のなかにまじらひて
蹄のたぐひけぶるらし
蛙のたまごもほごれて啼けば
北風氷とひかりを吹きて
老いし耕者も笑ふなり



(下書稿1推敲前)

四方は辛夷の花盛りあがり
赤楊の毬果の日に黒ければ
艸を燃すとて蹄もけぶし
名与村長うなづき行けり
   正き時計はそのさま頑く
   憎悪にきたへし瞳は強し
楊の花芽らひそかに熟し
蛙のたまごもほごれて啼けば
北風氷とひかりを吹きて
老いたる耕者もしづかにわらふ