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文語詩100/73

羅紗売

バビロニ柳掃ひしと、    あゆみをとめし羅紗売りは、
つるべをとりてやゝしばし、 みなみの風に息づきぬ。

しらしら醸す天の川、    はてなく翔ける夜の鳥、
かすかに銭を鳴らしつゝ、  ひとは縄を繰りあぐる。



(下書稿3推敲後)

バビロニ柳掃ひしと
あゆみをとめし羅紗売りは
つるべをとりてやゝしばし
みなみの風に息づきぬ

しらしらかもす天の川
はてなく翔くる夜の鳥
かすかに銭を鳴らしつゝ
ひとは縄を繰りあぐる



(下書稿3推敲前)

バビロニ柳触れにしと
あゆみを停めし羅紗売りは
つるべをとりてやゝしばし
みなみの風の息づけり

しらしらかもす天の川
はてなく翔くる夜の鳥
しづくはるかに鳴らしつゝ
ひとは水竿みさをを繰りあぐる



(下書稿2推敲後3)

羅紗売り

バビロニやなぎ触れにしと
あゆみをとめし羅紗うりは
つるべをとりてやゝしばし
夜ぞらのはてをながめたり

しらじら醸す天の川
はてなく翔ける夜の鳥
しづくはるかに鳴らしつゝ
ひとは水竿を繰りあぐる



(下書稿2推敲後2)

羅紗売り

バビロニやなぎうちかつぎ
あゆみをとめし羅紗うりは
つるべをとりてやゝしばし
さそりのほしをもとめたり

しらじら醸す天の川
はてなく翔ける夜の鳥
かすかにひじを鳴らしつゝ
ひとは水竿を繰りあぐる



(下書稿2推敲後1)

行商

やみに一つの井戸を見つ
とみにとゞまる羅紗売りの
バビロニやなぎうちかつぎ
つるべをとるとやゝしばし
天の川をばながめたり

あかあか燃ゆる蠍ぼし
さだめなく飛ぶ夜の鳥
かすかにのどをならしつゝ
ひとはつるべを汲みあぐる



(下書稿2推敲前)

やみに一つの井戸ありて
行商にはかにたちどまり
つるべをとりてやゝしばし
天の川をばながめたり

あまの川の小き爆発
たよりなく行ける鳥あり
かすかにのどをならしつゝ
ひとはつるべを汲みあぐる



(下書稿1「冬のスケッチ 第12葉、第13葉))

やみのなかに一つの井戸あり
行商にはかにたちどまり
つるべをとりてやゝしばし
天の川をばながめたり

あまの川の小き爆発
たよりなく行ける鳥あり
かすかにのどをならしつゝ
ひとはつるべを汲みあぐる。