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文語詩100/7

〔南風の頬に酸くして〕


南風の頬に酸くして、  シェバリエー青し光芒。

天翔ける雲のエレキを、 とりも来て蘇しなんや、いざ。



(下書稿2推敲後)

疲労

南風の頬に酸くして
シェバリエー青し光芒

天翔ける雲のエレキを
とりもこそ蘇しなんやいざ



(下書稿2推敲前)

疲労

南風頬に酸くして
緑なる穂麦の痛し

天翔ける雲のエレキを
わがとりて蘇しなんや



(下書稿1推敲後)

南風温く酸醸し
青き六角シェバリエー
光芒燦と痛きころ
間紅宝石をちりばむる
三の立像崖に来て

手挙げて吾子を招くなり
南風倦みていとゞ酸く
穂麦の青く痛ければ
こまとに吾子も手を伸べて
かの太虚なるひかりぐも
になへる磁をもとりてんや



(下書稿1推敲前)

南風酸醸し
六角シェバリエー燦として青きに
崖上三の黒影あり立像あり
間紅宝石を装填せり

手挙げて我を招くと云はゞ
こまとに吾子も手を伸べて
かの光雲の磁をとらん哉



(先駆形口語詩「疲労」)

七一四

疲労

一九二六、六、一八、

南の風も酸っぱいし
穂麦も青くひかって痛い
それだのに
崖の上には
わざわざ今日の晴天を、
西の山根から出て来たといふ
黒い巨きな立像が
眉間にルビーか何かをはめて
三っつも立って待ってゐる
疲れを知らないあゝいふ風な三人と
せいいっぱいのせりふをやりとりするために
あの雲にでも手をあてゝ
電気をとってやらうかな