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文語詩100/67

眺望

雲環かくるかの峯は、   古生諸層をつらぬきて
侏羅紀に凝りし塩岩の、  蛇紋化せしと知られたり。

青き陽遠くなまめきて、  右に亘せる高原は、
花崗閃緑 削剥の、    時代はもろあげつらふ。

ま白き波をながしくる、  かの峡川と北上は、
かたみに時を異にして、  ともに一度老いしなれ。

砂壌かなたに受くるもの、 多くは酸えず燐多く
洪積台の埴土はに土壌ひじと、  植物群フロラおのづとわかたれぬ。




下書稿が現存しないので、定稿のみに拠る。定稿用紙に、罫を用い てブルーブラックインクで清書されている。書きながら一箇所の手 直しがなさもている以外には、手入れはない。

なお、下欄下に、青インクで、次のメモがある。

1行下  Basic rocks(横書き)
2行下  塩岩?
4行下  双に
     諸に?