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文語詩100/62

〔銅鑼と看板 トロンボン〕

銅鑼と看板 トロンボン、 弧光燈アークライトの秋風に、
芸を了りてチャリネの子、 その影小くやすらひぬ。

得も入らざりし村の児ら、 叔父また父の肩にして、
乞ふわが栗をふべよと、 泳ぐがごとく競ひ来る。



(下書稿2推敲後)

秋祭

銅鑼と看版トロンボン
アークライトの秋風に
芸を了りてチャリネの子
その影黒くやすらひぬ

得も入らざりし村の児ら
叔父また父の肩にして
泳ぐがごとく近づきて
乞ふわが栗を食ふべよと
泳ぐがごとく競ひ来る



(下書稿2推敲前)

秋祭

銅鑼と看板サクソホン
アークライトの風のなか
芸を了りてチャリネの子
膝をいだきてやすらへり

得こそは入らぬ村の児ら
叔父また父の肩にして
泳ぐがごとく近づきて
競ひて栗を贈るなり



(下書稿1推敲後)

秋祭

銅鑼と看板サクソホン
上げては落す縫の幕
業了へりてふチャリネの子
アーク燈液浴ぶるなり

得こそは入らぬ村人の
叔父らその子を肩にして
乞ふわが糧を食ふべよと
競ひて栗を投げしむる



(下書稿1推敲前)

秋祭

アーク燈液青ければ
そらは螺鈿のごとくなり

業を了りてチャリネの子
アーク燈液浴ぶるなり

得こそ入らぬ村の子ら母はその子を肩にして
わが栗を食ふべよと
競ひて栗を投ぐるなり