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文語詩100/54

二月

みなかみにふとひらめくは、 月魄の尾根や過ぎけん。

橋のも顫ひ落ちよと、   まだき吹くみなみ風かな。

あゝ梵の聖衆を遠み、    たよりなく春はらしを。

電線の喚びの底を、     うちどもり水はながるゝ。



(下書稿2推敲後)

二月

みなかみにふとひらめくは
しろの尾根や過ぎけん

橋のも顫ひ落ちよと
まだき吹くみなみ風かな

あゝ梵の聖衆を遠み
たよりなく春はらしを

あめつちのまくろきなかを
うちどもりつゝ水はながるゝ



(下書稿2推敲前)

二月

みなかみにふとひらめくは
しろの尾根や過ぎけん

橋のも落ちよとばかり
みふゆ吹くみなみ風かな

あゝ梵の聖衆を遠み
たよりなく春はらしを

はてしなくどもるがごとく
水の音闇をこえくる



(下書稿1推敲後)

みなかみにふとひらめくは
月しろの尾根や過ぎけん

橋の燈も落ちよとばかり
みふゆ吹く みなみ風かな

あゝ梵の聖衆を遠み
たよりなく春は来らしを

電線のおらびのひまに
うちどもり水はながるゝ



(下書稿1推敲前)

橋の燈も落ちよとばかり
二月吹く みなみ風かな

みなかみにふとひらめくは
月しろの過ぐる雪尾根

あゝ梵の聖衆を遠み
たよりなく春は来らしを

電線のおらびのひまに
うちどもり水はながるゝ