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文語詩100/4

崖下の床屋

あかりをれし古かゞみ、 客あるさまにみまもりて、
唖の子鳴らすから鋏。

かゞみは映す崖のはな、  ちさき祠に蔓垂れて、
三日月凍る銀斜子ななこ

いてたつ泥をほとほとと、  かまちにけりて支店長、
玻璃戸の冬を入り来る。

のれんをあげて理髪技士、 白き衣をつくろひつ、
弟子の鋏をとりあぐる。



(本文推敲前)

崖下の床屋

あかりをれし古かゞみ、 客あるさまにみまもりて、
唖の子鳴らすから鋏。

かゞみは映す崖のはな、  ちさき祠に蔓垂れて、
三日月凍る銀斜子ななこ

いてたる泥をほとほとと、  かまちにけりて町助役、
玻璃戸の冬を入り来る。

のれんをあげて理髪技士、 白き衣をつくろひつ、
弟子の鋏をとりあぐる。



(下書稿3推敲後)

崖下の床屋

あかりをれしふるかゞみ
客あるさまにみまもりて
唖の子鳴らすから

かがみは映す崖のはな
くらき祠に蔓垂れて
三日月凍る銀なゝこ
>br> そめし泥をほとほとと
かまちにけりて支店長
玻璃戸の冬を入り来る

のれんをあげて理髪技士
白き着衣をつくろひつ
弟子の鋏をとりあぐる



(下書稿3推敲前)

崖下の床屋

あかりをれしふるかゞみ
客あるさまにみまもりて
唖の子鳴らすから

かがみは映す崖のはな
くらき祠に蔓垂れて
三日月凍る銀なゝこ

のれんをあげてアーティスト
白きガウンに出できたり
弟子の鋏をとりあぐる

そめし泥にふみなづみ
手桶をさげし唖の子が
影こそ過ぎれふるかゞみ



(下書稿2推敲後)

床屋の弟子

あかりを外れしさびかゞみ
客あるさまにみまもりて
唖の子鳴らす空鋏

かゞみは映す崖のはな、
くらきほこらに蔓垂れて、
三日月凍る銀なゝこ、

凍そめし泥をふみしだき、
湯上りとんび、万清の、
ガラスをがたと入りきたる。

凍そめし泥にふみなづみ
手桶をさげし唖の子の
影こそ過ぎれさびかゞみ



(下書稿2推敲前)

床屋の弟子

赤砂利くらき岸裏を
副の鏡にみまもりつ
唖の子鳴らす空鋏

崖にはちさきほこらして
さいかちの枝ふじもつれ
三日月凍る銀なゝこ

凍そめし泥をふみしだき
郡書記村井入りきたり
さわととんびをぬぎすつる

のれんをあげてアーティスト
白き長衣を身にまとひ
唖のはさみをとりかへす



(下書稿1推敲後)

赤砂利くらき岸裏を
副の鏡にみまもりつ
唖の子鳴らすから

崖にはちさき祠して
さいかちのえだ、ふぢもつれ
みかづき凍る銀なゝこ

凍そめし泥をふみしだき
郡書記村井入りきたり
ざわととんびをぬぎすつる

のれんをあげてアーティスト
白き長衣を身にまとひ
唖のはさみをとりかへす



(下書稿1推敲前)

かなしみいとゞ青ければ
かの赤砂利の崖下の
唖のとこやに行かんとす

さいかちのえだ、ふぢもつれ
みかづき凍る銀なゝこ

凍りし泥をうちふみて
かの赤砂利の崖下の
唖のとこやに急ぐなり