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文語詩100/25

歯科医院

ま夏は梅の枝青く、    風なき窓を往く蟻や、

碧空そらの反射のなかにして、 うつつにめぐる鑿ぐるま。


浄き衣せしたはれめの、  ソーファによりてまどろめる、

はてもしらねば磁気嵐、  かぼそき肩ををののかす。



(下書稿3推敲後)

歯科医院

ま夏は梅の枝青く
風なき窓を往く蟻や
碧空そらの反射のなかにして
うつゝにめぐる鑿ぐるま

白き衣せしたわれめの
ソーファによりてまどろめる
磁気嵐はてもしらねば
かぼそき肩をおののかす



(下書稿3推敲前)

歯科医院

ま夏は梅の枝青く
風なき窓を往く蟻や
碧空そらの反射のなかにして
うつゝにめぐる鑿ぐるま

ソファにまどろむたはれめの
かすかになにかおののけば
しばし按じて村をさ
雑誌をさらにひるがへす



(下書稿2推敲後)

歯科医院

ま夏は梅の枝青く
風なき窓を往く蟻や
碧空そらの反射のなかにして
うつゝにめぐる鑿ぐるま

ソファにまどろむたはれめの
かすかになにかおののけば
しばし按じて村長は
雑誌をさらにひるがへす



(下書稿2推敲前)

歯科医院

ま夏は梅の枝青く
いまかも萎む朝顔や
そらの反射のなかにして
うつゝにめぐる鑿ぐるま

白き衣せしたはれめの
ソーファによりてまどろめる
玻璃る音にうちおびへ
かぼそき肩をおののかす



(下書稿1推敲後)

歯科医院

ま夏は梅の枝青く
ほのかに萎む朝顔や
そらの反射のなかにして
うつゝにめぐる鑿ぐるま

藍の衣せしたはれめの
ソーファによりてまどろめる
玻璃器の音にうちおびえ
かぼそき肩をおののかす



(下書稿1推敲前)

歯科医院

ま夏の梅の枝青く
まつばぼたんの照り返し
白きひかりのそがなかに
かすかに鳴れるピンセット

いとうるはしくよそほひて
悦々としてねむれども
あゝ白日になほなやみ
弱きその身をおののかす