目次へ  縦書き

文語詩100/24

浮世絵

ましろなる塔の地階に、   さくらばなけむりかざせば、

やるせなみプジェー神父は、 とりいでぬにせの赤富士。


玉かゞやく天に、    れいろうの瞳をこらし、
 
これはこれ悪行乎栄光乎あくかさかえか、  かぎすます北斎の雪。



(下書稿3推敲後)

浮世絵

ましろなる塔の地階に
さくらばなけむりかざせば
やるせなみプジェー神父は
とりいでぬにせの赤富士

青瓊玉あおぬたまかゞやく天に
れいろうのひとみをこらし
これはこれ悪業乎栄光乎かさかえか
かぎすます北斎の雪



(下書稿3推敲前)

浮世絵

ましろなる塔の地階に
さくらばなけむりかざせば
やるせなきプジェー神父は
とりいづぬにせの赤富士

葱緑のかゞやく天に
れいろうのひとみをこらし
髭あかきプジェー神父は
かぎすまし北斎の雪



(下書稿2)

ましろなる塔の地階に
あしたともひるともわかず
さくらばなけむりかざせり

やるせなきプジェー神父は
北斎がにせの赤富士
しめやかにとりこそいづれ

ぼうと降る日ざしのかなた
たゞ赤く銹びしタンクの
ねむたげに水吸へる音

葱緑のかゞやくそらに
れいらうのひとみをこらし
かぎすます紙の一ひら



(下書稿1推敲後)

ましろなる塔の地階にあしたともひるともわかず
さくらばなけむりかざせり

やるせなきプジェー神父は
北斎がにせの赤富士
しめやかにとりこそいづれ

ぼうと降る日ざしのかなた
たゞ赤く銹びしタンクの
ねむたげに水吸へる音

葱緑のかゞやくそらに
水いろのひとみをこらし
かぎすます紙の一ひら



(下書稿1推敲前)

ましろなる塔の地階にあしたともひるともわかず
さくらばなけむりわたせり

やるせなきプジェー神父は
あがなひしにせの赤富士
しめやかにとりいづるなれ

ぼうと降る日ざしのかなた
たゞ赤く銹びしタンクの
ねむたげに水吸ひあぐる

葱緑のかゞやくそらに
水いろのひとみをこらす
ひと紙をかぎすますなれ



(関連短歌)歌稿B

280
さわやかに
朝のいのりの鐘鳴れと
ねがひて過ぎぬ
君が教会

 

280a
ブジェー師よ
かのにせものの赤富士を
工藤宗二がもたらししとか

 

280b
プジェー師よ
いざさわやかに鐘うちて
春のあしたを
寂めまさずや

 

280c
プジェー師は
古き版画を好むとか
家にかへりて
たづね贈らん

 

280d
プジェー師や
さては浸礼教会の
タッピンク氏に
絵など送らん