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文語詩100/1

雪袴黒くうがちし    うなゐの子瓜みくれば
風澄めるよもの山はに  うづまくや秋のしらくも


その身こそ瓜も欲りせん 齢弱としわかき母にしあれば
手すさびに紅き萱穂を  つみつどへ野をよぎるなれ



(「女性岩手」発表形)

雪ばかま黒くうがちし
うなゐの子うりみくれば
風澄めるよもの山はに
うづまくや秋のしらくも

その身こそ瓜もりせん
齢弱としわかき母にしあれば
手すさびにあか萱穂かやほ
つみつどへ野をぎるなれ



(下書稿2推敲後)

雪袴黒くうがちし
うなゐのこ瓜みくれば
風澄めるよもの山はに
うづまくや秋のしらくも

その身こそ瓜もりせん
齢弱としわかき母にしあれば
手すさびに紅き萱穂を
つみつどへ野をよぎるなれ



(下書稿2推敲前)

雪袴黒くうがちし
うなゐのこ瓜みくれば
風澄めるよもの山はに
うづまくや秋のしらくも

その身こそ瓜もりせん
齢弱としわかきその児の母は
ひたすらに紅きすすきの
穂をあつめ野をよぎりくる



(下書稿1)

幾重なる松の林を
鳥の群はやく渡りて
風澄める四方の山はに
うづまくや秋の白雲

雪袴 黒くしがちし
その子には瓜を喰はしめ
みづからは紅きすゝきの
穂をあつめ野をよぎる母