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文語詩50/8

〔氷雨虹すれば〕

氷雨虹すれば、    時計盤たゞに明るく、
 
いたつきの今朝やまされる、   青き套門を入るなし。
 
 
二限わがなさん、   きみ 五時を補ひてんや、
 
火をあらぬひのきづくりは、 神祝かむほぎにどよもすべけれ。


定稿推敲前

氷雨虹すれば、    時計盤たゞに明るく、

いたつきの今朝やまされる、   絹の洋傘門を入るなし。


二限わがなさん、   きみ 五時を補ひてんや、

火をあらぬひのきづくりは、 神祝かむほぎにどよもすべけれ。


下書稿3推敲後

僚友

氷雨虹すれば
時計盤たゞに明るし
病の今やまされる
僚友ともの影門を入るなし

二限わがなさん
きみ五時を補ひてんや、
火をあらぬひのきづくりは
ことばもてどよもすべけれ


下書稿3推敲前

僚友

氷雨虹すれば
時計盤たゞに明るし
病の今朝まされるや
黒き洋傘みちを来るなし

二限わがなさん
きみ五時を補ひてんや、


下書稿2推敲後

僚友

時計盤たゞに明るく
僚いまだ姿あらぬは
憂ひごとあるに似たれど
この限はわが補はん、
もしやきみ四時をとらずや


下書稿2推敲前

僚友

きみが眉高くひそみて
憂ひごとあるに似たるは
さらにまた事を加へて
今朝もまた氷雨に
かの僚はいたつききぬらし

すでにはや九時を経たるに
かの僚の姿あらぬは
今朝もまた氷雨虹して
いたつきのうちまさるらし

きみが眉高くひそめて
憂ひごとあるに似たるを
三限はわが補はん
もしやきみ五時をとらずや


下書稿1推敲後

僚友

きみが眉高くひみて
さはつらく物うち云ふは
また今朝も方言をもて
きみが室を進めしか
さてはまた粉雪のなかを
村技手の自転車に乗り
人も身をうちはゞからず
悪しざまに叫び行きたる
しからずばかの崖下の
小堰をばはねそこなひて
あらたなるカンガル革の
靴をこそ浸らしたまへる
かにかくに今日病む人の
三限はわが補はん
きみやもし五時をとらずや


下書稿1推敲前

きみが眉うちひそめるは
さはつらく物うち云ふは
また今朝も方言をもて
きみが妻を進めしか
さてはまた粉雪のなかに
村技手の自転車に乗り
人も身をうちはゞからず
悪しざまに物や云ひたる
しからずばかの崖下の
小堰をばはねそこなひて
あらたなるカンガル革の
靴をこそ浸らしたまへる
かにかくにきみがうれひは
きみのみに事足れるらし
さはつらく物な云ひそね